デザインツールの中でも特に注目されているAdobe XDとFigma。それぞれの特徴や違いを知ることで、どちらのツールが自分のニーズに合っているのかを判断できます。本記事では、Adobe XDとFigmaの違いを詳細に比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

Adobe XDとFigmaの概要

Adobe XDとは

Adobe XDは、Adobeが提供するプロトタイピングおよびデザインツールです。主にUI/UXデザインに使用され、豊富な機能とAdobe製品との高い互換性が特徴です。Adobe XDは、ユーザーインターフェース（UI）とユーザーエクスペリエンス（UX）のデザインに特化したツールとして、近年注目を集めています。直感的な操作性と豊富な機能により、Webサイトやモバイルアプリのデザイン、プロトタイピング、共有、プレゼンテーションまで、デザインワークフロー全体を効率的に行うことができます。

Figmaとは

Figmaは、ブラウザベースのデザインツールで、特に共同編集機能に優れています。複数人が同時に同じプロジェクトに取り組むことができ、クラウド上で管理できる点が魅力です。Figmaは、Webブラウザ上で動作するデザインツールとして、近年急速に普及しています。従来のデスクトップアプリケーションと比べて、インストール不要で、いつでもどこでもアクセスできる利便性があります。また、リアルタイムの共同編集機能により、チームでのデザイン作業をスムーズに行うことができます。

Adobe XDとFigmaの主要な違い

動作速度とパフォーマンス

Adobe XDは、高速な動作が可能で、特に大規模なプロジェクトに対してもスムーズに動作します。Adobe XDは、ネイティブアプリケーションとして動作するため、高速な処理能力と安定したパフォーマンスを実現しています。大規模なデザインファイルや複雑なプロトタイプでも、スムーズに操作できる点が大きなメリットです。一方、Figmaはブラウザベースであるため、インターネット接続環境によってパフォーマンスが左右されることがあります。特に、ネットワーク環境が不安定な場合や、複数のユーザーが同時に編集を行う場合、パフォーマンスが低下することがあります。

共同編集機能

Figmaは、リアルタイムの共同編集が可能で、チームでの作業に非常に便利です。Figmaは、リアルタイムの共同編集機能を備えているため、チームメンバー全員が同時に同じデザインファイルにアクセスし、編集することができます。コメント機能やチャット機能も充実しており、チームでのコミュニケーションを円滑に行うことができます。Adobe XDも共同編集機能を提供していますが、Figmaほどのリアルタイム性はありません。Adobe XDの共同編集機能は、リアルタイムではなく、変更内容を同期する仕組みとなっています。そのため、複数人が同時に編集を行う場合、編集内容が反映されるまでにタイムラグが発生することがあります。

連携機能

Adobe製品との連携を重視する場合、Adobe XDが有利です。PhotoshopやIllustratorなど他のAdobeソフトウェアとシームレスに連携できます。Adobe XDは、Adobe Creative Cloudの他のアプリケーションと緊密に連携するように設計されています。PhotoshopやIllustratorで作成したデザインデータをAdobe XDに直接インポートしたり、Adobe XDで作成したデザインデータをPhotoshopやIllustratorにエクスポートしたりすることができます。一方、FigmaはAdobe製品との互換性が低いですが、他のSaaSツールとの連携に優れています。Figmaは、他のSaaSツールとの連携を強化しており、Slack、Zeplin、InVisionなど、様々なツールとの統合が可能です。

Adobe XDのメリットとデメリット

Adobe XDのメリット

1. 高速な動作とパフォーマンス
2. Adobe製品とのシームレスな連携
3. 優れたプロトタイピング機能

Adobe XDのデメリット

1. テキストのカーニング調整ができない
2. 縦書きテキストのサポートがない
3. カラーマネジメント機能が不十分

Figmaのメリットとデメリット

Figmaのメリット

1. ブラウザベースでどこでも作業可能
2. リアルタイムの共同編集機能
3. 直感的な操作性

Figmaのデメリット

1. Adobe製品との互換性が低い
2. コメント機能の種類が限られている
3. 日本語入力に一部バグがある

料金プランの比較

Adobe XDの料金プラン

Adobe XDには、個人ユーザー向けと企業・チーム向けの料金プランがあります。基本的にはサブスクリプションモデルで提供されており、他のAdobe Creative Cloud製品とセットで利用することができます。Adobe XDは、Adobe Creative Cloudのサブスクリプションプランに含まれており、単体での購入はできません。Adobe Creative Cloudは、Photoshop、Illustrator、After Effectsなど、様々なクリエイティブアプリケーションをセットで利用できるサービスです。

Figmaの料金プラン

Figmaは、無料プランと有料プランがあり、チームや企業向けのプランも提供されています。無料プランでも基本的な機能は利用可能ですが、チームでの共同編集やデザインシステムを使用する場合は有料プランが求められます。Figmaの無料プランでは、個人での利用に限定され、チームでの共同編集やデザインシステムの利用はできません。有料プランでは、チームでの共同編集やデザインシステムの利用に加えて、ストレージ容量やファイル数などの制限が緩和されます。

まとめ

結論として、自分の使用環境やデザインに必要な機能によって、Adobe XDとFigmaのどちらが適しているかが決まります。各ツールの特長を理解し、最適なデザインツールを選定してください。Adobe XDは、Adobe製品との連携を重視するユーザーや、高速なパフォーマンスを求めるユーザーに適しています。一方、Figmaは、チームでの共同作業を重視するユーザーや、ブラウザベースのツールを求めるユーザーに適しています。最終的には、自分のニーズやワークフローに合わせて、どちらのツールが最適かを判断する必要があります。